巻頭ごあいさつ
突然ですが、これまで生きてきて、特許って言葉を聞いたことはあると思います。
発明をしたらとれる権利。
現代社会を支えるインフラでけっこう大事なシステムですが、そのイメージは”よくわからない”という人が多いのではないでしょうか。。
というより、私も業界に入った20年ほど前までは、よくわかってませんでした。
当時のイメージは、ノーベル賞やら世界を革新させるようなスゴイ技術、だから発明を完成させた人もぶっちぎりで優秀に違いない。だから特許も学術論文と同じように、とても難解なんだろうなあ、自分にはとても読めないし理解できないことばかりなんだろうなあ。当時、まだ大学生だったころの私の特許の印象がまさにコレでした。
でも、実際に業界に入って、特許の書類を毎日眺めるようになると、どうも違う光景が見えてきました。
まず、とても読みやすい。読みにくいところ(おいおい説明しますが、抽象化しすぎていて何をいってるかわからないところ)もあるにはありますが、全体を通してみると、とてもわかり易く、噛み砕いて解説してくれていることが多い。馴染みの薄い言葉の解説もいれてあり、初めての技術分野でも案外スラスラと読めるんです。
次に、予想以上に数が多い。日本だけでも1年あたり40万本以上公開されていた時代もあり、莫大な数の特許が生まれ続けています。
これだけ数が多いと、全部が全部、世界を変えるクラスのスゴイ発明で揃えられるわけもなく、ちょっとした工夫や、ほんの僅かな改良といった内容がほとんどです。
が、中にはあるんですよ。スゴイやつらが。
ex1 技術というか科学とは全く無縁の自分の思想をひたすら語ったもの
ex2 これが技術といえるのか?というもの
ex3 SF
発明家って言葉には、2つの概念が交錯しているんですよ。。。
1つはもちろん偉大な大発明家たち。
で、もうひとつあるんですよ。。
白衣を着ていて、おかしなものばかりつくってる、マッドサイエンティストなアレ。タイムボカンシリーズのボヤッキー先生みたいな、やたら行動的なイメージ。
特許制度の運用が日本ではじまってから、100年以上経過していますが、そのほぼ全てが、ありがたい事に国税をつかって無償公開されています。全世界へむかって。
このブログでは、偉大な人たちの功績はおいておいて、技術というか、特許としては素晴らしくないものでも、読み物としては素晴らしく楽しい出願たち、を紹介しながら、案外おもしろい(と思われる)知的財産の世界を紹介していきたいなと思います。